「麻雀」それは自分自身を知るためのもの 普及に向けた理想と現実
明けましておめでとうございます。土田浩翔です。このニュースレターでは私の考える麻雀界の未来、Mリーグの今後、「切り牌クイズ」や戦術的なテーマも織り交ぜつつ伝えていきたいと思っています。
皆様も麻雀にまつわる質問、疑問があればコメント欄にお寄せください。基本的なところから戦術的な部分まで何でもかまいません。このtheLetterのなかで、できる限りお答えしていきたいと思っています。
素晴らしい麻雀を広めたい
私がもともとプロになった動機が、麻雀のイメージを変えたかったっていうところが1番でした。それは1986年ですから、今から約40年ぐらい前の話です。当時は今とは違いまして、麻雀イコールひどい状況でした。そんな中で私も育ちましたが、そのイメージをやはり変えたいっていう思いがありました。なぜそう思ったかというと、20歳の時に突然、札幌で麻雀教室なるものを知ることができて、そこの場に呼ばれてびっくりしたのは参加者が全員女性だったんです。生徒さんが一堂に会して楽しんでいた。それが衝撃的で、それまで麻雀っていうと、私もご多分に漏れず、「ああ楽しい遊びだな」という程度でやってきましたが、こんな世界があるのだということを、当時師事していた先生に教えてもらって、これを世の中に広めていけたら素晴らしいなということを思い始めました。そして、プロになって広げていくためにはやはり少し知名度もないと、全国的な展開・活動ができないと思って、プロになろうと思いました。ですから今もですが、私の思いの中心にあるのは麻雀を知らない方たちへ、いかにして麻雀を楽しんでもらって、どんなものかということを知ってもらうかという活動に重きを置いてることは変わらないですね。それが今の九州、沖縄から北海道まで活動しているエネルギーになっています。
手応えというか、そういう活動をしているときが一番自分が幸せを感じる時間になっています。知らない人と接していると、それぞれの皆さんに麻雀に対する一定のイメージがあって、それを変えていける喜びというのがなにものにも代えがたいと。「あ、麻雀ってこんなに楽しいゲームだったんだ」というのを分かってもらえる時が一番嬉しいし、その人が麻雀のことを知らないお友達に紹介してくれて、その場にさらに集まってもらえるということは、麻雀のことを知っている人が増えているという感触になりますし、手応えを感じます。
私が問題意識を持っているのが麻雀界の教育システムについてです。第1の問題点として現状は統一された教育システムがなくて、各地の主宰者がそれぞれのやり方で普及活動されていて一体感がないという点。第2の問題点は、普及するための基本というか理念が曖昧になっているのではというところ。これは健康麻雀やノーレート麻雀を標榜するサークルやお店の考えかたなのですが、「なぜ普及したいのか?」が曖昧になっていて集まってくる愛好者に伝わっていないケースが散見されます。ただ麻雀ができればいい場ではないことを主宰者や普及者が自覚してこその活動になるはずですから。
麻雀のインストラクターの育成も幾つかの団体でされてますが、全国的に統一された組織なりが育成していくシステムができればいいなと思っています。これは麻雀の世界に限った話ではありませんよね。育成システムが整備されてないと全てのものは広がっていきません。まだ麻雀界が発展途上だと感じるのはそういった所だと思っています。
そういう雰囲気は現場の空気で察知できます。全国各地の主宰者がそれぞれ異なった方法で普及者の育成をしています。ですから普及するための思想とか理念のバラバラ感があり、意思統一されてないように見えます。麻雀を世に広めていくための方法がビジネス寄りにならずに主宰者が情熱をもって普及していけるようになって欲しいものです。
麻雀に卒業はない
ビジネスに寄りすぎると、パターン化してしまいます。ビジネスなので。そうすると、パターン化した集客の仕方、価格の設定、あとはその満足度をどう高めるのかということに目が向くので、ビジネス的になる。麻雀の本質でなく、麻雀をするハコの良さ、あるいは接客の良さはいいけれど、麻雀を知るためのノウハウには欠けてるという事例を散見します。麻雀を知るというのは、「点数計算がこうでああで」というのだけでは駄目です。私の考える普及活動とは、麻雀のテクニックを伝える場というより、麻雀をする効用を伝える場にすることを意味しています。勝ち負けより大切なものがあることを麻雀を知ることによって培えるという観点で普及していかないと世に広がっていかないと考えています。
「あ、そういうことだったんだ」と、徐々に回数をこなすことで理解できるような広め方というのがあるんです。それを知らない人が多すぎて、「麻雀をただ教えればいい」みたいな、或いはそういう場を設ければいいというだけでは十分ではない。麻雀知ってる人に「じゃあ集まって」みたいなビジネスですよね。新陳代謝は起きるのですが、それでは実際に麻雀に来てくれる人の滞留してくれる時間、日数が短くなってしまう。そうすると、「じゃあ友達とやるか」となって、だいぶ分かってくると、最初に学んだ場から離れていくというようなことが起きていて、継続的に育てていけるような環境を作れていない。一時的に一定の収益が上がればいいっていう発想でやっていくと、そうなってしまいます。
いわゆる麻雀教室もそうですが、ゲーム性を強く押し出しすぎてしまうと、例えば勝ち方だったりとか、テクニックにばかり行ってしまうと。それで卒業させてしまう。教室だから「その発想はないんじゃないの」と思います。麻雀する人は分かっていると思いますが、麻雀というのはずっと長い期間わからないゲームなので、卒業があるというのがおかしいのです。卒業しない仕組みを作らなければいけないのに、儲けるためということではなく、もっと麻雀を理解してもらえることを増やしていかなければならないんです。提供する側にそういう役割があるのに、一定のカリキュラムで卒業させて、終わってしまうというところが多いです。
私が開催している初心者講座は、そういった場とは一線を画していて、独自でカリキュラムを作っています。ルールも独自で、点数のやりとりなどがありません。代わりに先生が払います。上がったら1万2,000点という具合に、先生が払うわけです。だから失点しないし、「ロン」となっても何でもない。6,000オールなら先生が1万8,000点払うんですよ。だから点数は減ることがなくて増えるだけ。だからこれは受講者からは好評ですね。楽しみながら損害もないし達成感もありますし。一番大きいのは、相手の上がりを喜べるということです。自分が振り込んでしまっても、「すごい」とみんなが自然に言える。そこが大事だなと思います。互いに喜び合うということ。