「全てを支配した」勝又健志の麻雀――あの1日で優勝は決まった
優勝をした風林火山はレギュラー、セミファイナル、ファイナルとずっとトップをキープしての完全優勝でした。セミファイナルはファイトクラブをファイナルに導く決定打を繰り出した滝沢和典さんがMVPでしたが、ファイナルではレギュラーシーズンではいま一つ調子が上がってこなかったあの人がMVPだったと言えます。
優勝した風林火山はファイナル1週目が終わった時点では3位でした。最初に二階堂亜樹さんがトップを取りましたが、その後2着はあるものの、ラスも何回かあって総合では3位でした。ただ、最終週に入って、内川幸太郎さんと勝又健志さんで2着をとって、何とか優勝戦線に踏みとどまった状況でした。
5月12日、すべてが動いた
しかし、次の日の5月12日がすごかった。内川さんと勝又さんがディリーダブル。しかも勝又さんは+108でした。この時の勝又さんの打ち方が、私でさえしびれるような打ち方をしてくれました。やはり勝又さんは偉大な打ち手であると感じさせる対局で、ファイナルのMVPは文句なしに勝又さんだったと言えます。
実際に対局を見ていきましょう。まずは東1局。この局での勝又さんのテーマはラスにならないということでした。内川さんが前の試合でトップを取っていましたから、そのポイントを減らさないということですね。もしくは少しでも上積みをすることができる2着なら良いだろうという姿勢です。

Mリーグ提供
東を引いてきてドラを切ってリーチをかけました。早いリーチでしたから、まさかドラまたぎだとは思いませんので、その外側のナンピンは出やすいという読みが働くわけです。
そして親の高宮まりさんが追いかけリーチに動きます。ペン7ソー待ちになりまして、その後結構長引く展開になりました。こうなると勝又さんとしては空振ってしまうと痛いのですが、幸先良く9ピンをツモりました。これで、幸先の良い出だしとなりましたので、勝又さんの腕からすると2着はキープできるという流れになっていきました。

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そして、次の局の配牌もアガりやすそうな形が出来上がっています。赤5ソーをツモってきて、白をポンして満貫までは求めてないという意思の表れだと思いますが、白をカンしませんでした。打点はいらないのでとにかくアガる局だと決めていたでしょうね。中もポンして手が出来上がってくる中で、瀬戸熊さんがリーチをかけますが、ペン3ピンでした。親の瀬戸熊さんからのリーチでしたが、カン6ソー待ちの勝又さんからしても既に満貫ありましたから、フリ込んだとしても原点に戻るだけなので、気軽に攻めることができていた局面でした。そこで、ツモってくるわけです。2連続ツモでのアガりですね。

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攻めた上でこういったアガりができる日は大体勝てるということです。勝又さん自身も、これは行けるぞ!という感触で次の局以降打っていけました。
前の試合で内川さんがトップで、もし風林火山がディリーダブルになると優勝にかなり近づくというのは他の3チームもわかっていました。だからそれは何とか阻止したかったはずなのですが、勝又さんが相手というのが不運というか、3チームの前に立ちはだかりましたね。
最後の最後の親番すごいですよね。大連荘でこれもあがっちゃう。雷電の瀬戸熊さんが放銃したわけではなく、他チーム均等に持ち点を削ることができたので勝又さんは大満足でした。
一見あり得ない一打
ここからが、勝又健志という打ち手の“本質”です。